エコキュートの故障は修理か交換か?費用比較と2026年の補助金を解説

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エコキュートが故障すると、お湯が出ない・ぬるいといった症状が突然あらわれ、毎日の入浴や家事に大きな支障が出ます。

「この症状は自分で直せるのか、それとも業者に頼むべきなのか」と迷う方は少なくありません。

本記事では、エコキュートの故障でよくある症状と原因の見分け方から、修理費用の相場、修理と交換の判断基準、さらに2026年度の給湯省エネ事業で最大14万円の補助金を受け取る方法まで、対処に必要な情報をまとめて解説します。

焦らず最適な選択ができるよう、ぜひ最後までお読みください。

目次

エコキュートの故障でよくある症状と原因

(1)お湯が出ない・ぬるいときに考えられる原因

エコキュートの故障で最も相談が多いのは、お湯が出ない・お湯がぬるいという症状です。

蛇口をひねっても水しか出てこないとき、最初に疑うべきは貯湯タンクのお湯切れです。

来客が多い日や年末年始のように普段よりお湯を使う場面では、タンクに貯めたお湯を使い切ってしまうことがあります。

症状考えられる原因緊急度
お湯がまったく出ないお湯切れ、基板の故障、電源トラブル高い
お湯がぬるい混合弁の不具合、温度センサーの異常中程度
お湯の温度が不安定サーモスタットの調整不良、配管の劣化中程度
お湯が急に熱くなる温度制御系統の故障高い(やけど注意)

お湯切れであればリモコンの沸き増し機能で解決しますが、沸き増しをしても温度が上がらない場合は、ヒートポンプユニットや温度センサーが正常に動いていない可能性があります。

特にお湯の温度が急激に上がる症状はやけどにつながるため、すぐに使用を止めてメーカーや業者に連絡してください。

(2)異音が聞こえるときの確認ポイント

エコキュートは運転中に多少の動作音がするものですが、これまで聞いたことのない音が出始めたら故障の前兆かもしれません。

異音は音の種類によって故障の原因がある程度絞り込めます。

  • ブーン・ブォーという低い音 — ファンモーターの劣化やコンプレッサーの異常が考えられる。設置から7〜10年経過した機器に多い
  • ガタガタ・カタカタという振動音 — ヒートポンプユニット内部の部品の緩み、または設置台のぐらつきが原因
  • キーンという高い音 — 冷媒ガスの圧力異常や膨張弁の不具合が疑われる
  • ボコボコという水音 — 配管内に空気が入り込んでいる状態。断水の後や近隣で水道工事があった後に起こりやすく、多くの場合は一時的なもの

断水や急な冷え込みの翌日に一度だけ鳴る音は、一時的なものであることが大半です。

一方、毎日同じ異音が続く場合は、ファンモーターやコンプレッサーの劣化が進行しているサインです。

音が大きくなる前に点検を依頼すると、比較的安い修理費用で済むことが多いため、気になったら早めに相談しましょう。

(3)水漏れが見つかったときのチェック方法

エコキュートの周辺に水たまりができていたら水漏れを疑いますが、すべてが故障ではありません。

ヒートポンプユニットは運転中に空気中の水分を結露として排出するため、ユニット周辺に少量の水がたまるのは正常です。

故障による水漏れかどうかは、水が出ている場所と量で見分けることができます。

水漏れの状態考えられる原因対応
ヒートポンプ周辺に少量の水結露水(正常な動作)様子を見る
配管接続部から水が滴るパッキンの劣化、接続部の緩み業者に修理依頼
貯湯タンク下部から大量の水タンク本体の腐食や亀裂至急メーカーに連絡
逃し弁から水が流れ続ける逃し弁の故障やタンク内の圧力異常業者に修理依頼

貯湯タンク本体からの水漏れは部分的な修理が難しく、タンクごと交換となるケースがほとんどです。

修理費用も約30万円と高額になるため、使用年数によっては本体を丸ごと交換した方が経済的なこともあります。

小さな水漏れでも放置すると基礎部分を傷めたり水道代がかさんだりするため、発見したらなるべく早く業者に見てもらいましょう。

(4)エラーコードが表示されたときの対応手順

エコキュートに不具合が生じると、台所や浴室のリモコン画面にエラーコードが表示されます。

エラーコードはメーカーごとに意味が異なるため、まずは手元にある取扱説明書で該当コードの内容を調べましょう。

ガス給湯器ではメーカー間でエラーコードが統一されていますが、エコキュートはメーカーによって表示内容がまったく異なるので注意が必要です。

  • まずエラーコードをメモするか写真に撮って記録する — メーカーや業者への問い合わせ時にそのまま伝えられる
  • 取扱説明書またはメーカー公式サイトでコードの意味を確認する
  • 軽微なエラーであればリモコンのリセット操作で解消できることがある
  • リセットしても同じエラーが繰り返し出る場合は部品の故障が考えられるため修理を依頼する

たとえばパナソニック製の場合、「U」で始まるコードはお湯の使い過ぎや一時的な動作不良など自分で対処できるケースが多い一方、「H」や「F」で始まるコードはヒートポンプの異常や内部基板のトラブルを示しており修理が必要です。

エラーの表示頻度が増えてきたら本格的な故障に進む前のサインと考えて、早めにプロへ相談することをおすすめします。

(5)お湯が臭い・濁っているときの原因

蛇口から出るお湯に異臭があったり色がついていたりする場合、貯湯タンクの内部に汚れが溜まっていることが主な原因です。

エコキュートは水道水をタンクに貯めて沸かす仕組みなので、使い続けるうちに水中のカルシウムやマグネシウムといった不純物が少しずつタンク底部に蓄積していきます。

  • 硫黄のような臭い — タンク内に雑菌が繁殖している可能性がある。長期間お湯を使わなかった後に出やすい
  • 金属臭やサビの臭い — 配管の内部腐食が進行しているサイン
  • 白く濁る — ミネラル成分が析出した状態で、飲用しても人体への影響は少ない
  • 茶色や赤色に変色する — 配管内のサビが溶け出したもの。設置から10年以上経過した配管に多い

半年から1年に一度、定期的にタンクの水抜きを行えば、内部に溜まった不純物を排出して臭いや濁りを防ぐことができます。

もし長期間水抜きをしていなかった場合は一度の作業では十分に汚れが落ちないこともあるので、業者にタンク内部の洗浄を依頼するのも一つの方法です。

エコキュートの故障を自分で確認する方法

(1)エラーコードの調べ方とリセット手順

リモコンにエラーコードが表示されたら、まずはメーカーの取扱説明書か公式サイトでコードの意味を調べましょう。

手元に説明書がない場合でも、メーカー名と機種名、エラーコードをインターネットで検索すれば情報が見つかります。

コードの内容を確認したら、リセット操作で症状が解消するかどうかを試してみてください。

メーカーリセット方法
パナソニック台所・浴室リモコンの「決定」または「確定」ボタンを押す
三菱台所リモコンの「日時設定」と「給湯温度▼」を3秒以上同時に押す
ダイキン漏電遮断器をOFFにして10秒待ち、再度ONにする

リセット後にエラーが消えればそのまま使い続けて問題ありませんが、同じエラーが繰り返し表示される場合は部品そのものが故障している可能性が高いです。

リセット前にはエラーコードを必ず控えておきましょう。

業者に修理を依頼するとき、コードの情報があると原因の特定がスムーズに進みます。

(2)ブレーカーや漏電遮断器のチェック方法

エコキュートがまったく動かない場合は、故障ではなく電源周りのトラブルである可能性も考えられます。

エコキュート専用のブレーカーが落ちていないか、分電盤を確認してみてください。

落雷や瞬間的な電圧変動が原因でブレーカーが切れることは珍しくありません。

  • 分電盤を開き、エコキュート専用のブレーカーが「OFF」になっていないか確認する
  • 漏電遮断器が落ちている場合は、エコキュート本体や配線の漏電が考えられる
  • ブレーカーを「ON」に戻して正常に動作すれば問題なし
  • すぐにまたブレーカーが落ちる場合は漏電の可能性があるため、使用をやめて業者に連絡する

漏電が疑われる場合は感電や火災のリスクがあるため、自分で配線を触ることは避けてください。

ブレーカーを入れ直してもすぐに落ちてしまうときは、速やかにメーカーまたは電気工事業者に点検を依頼しましょう。

(3)凍結が原因の場合の見分け方と応急処置

冬場にお湯が出なくなった場合、配管の凍結が原因である可能性があります。

外気温が氷点下になる地域では、エコキュートの給水配管や給湯配管の中で水が凍ってしまい、お湯の供給が止まることがあります。

凍結かどうかは、水道の蛇口からも水が出るかどうかで見分けられます。

確認方法結果対応
水道の蛇口をひねる水も出ない水道管全体が凍結 → 自然解凍を待つ
水道の蛇口をひねる水は出るがお湯が出ないエコキュートの配管が凍結 → 応急処置を試す
エラーコードを確認凍結関連のエラーが表示配管の凍結 → 応急処置を試す

凍結している場合、最も安全な方法は気温が上がって自然に溶けるのを待つことです。

急ぎの場合は凍結した配管にタオルを巻き、ぬるま湯をゆっくりかけると10〜30分程度で解消します。

熱湯をかけると配管が割れるおそれがあるため、必ずぬるま湯を使ってください。

凍結の予防策として、就寝前に蛇口から1分間にコップ1杯程度の水を細く流しておくと、配管内の水が動き続けるため凍りにくくなります。

(4)業者に修理を依頼すべき判断基準

ここまで紹介した自分でできるチェックを試しても改善しない場合は、専門業者への依頼が必要です。

特に以下のような状況では、無理に自分で対処しようとせず早めにプロに相談しましょう。

  • リセットしても同じエラーコードが繰り返し表示される
  • 水漏れの量が増えている、または止まらない
  • 異音が日に日に大きくなっている
  • 漏電遮断器が繰り返し落ちる
  • お湯の温度が極端に高くなったり低くなったりする
  • 設置から10年以上経過しており、複数の症状が同時に出ている

修理の依頼先はメーカーのサービスセンターか、エコキュートを購入した販売店、または地域の給湯器専門業者です。

メーカー保証期間内であれば無償で修理してもらえることもあるため、まずは保証書の内容を確認してみてください。

保証期間を過ぎている場合は複数の業者から見積もりを取り、費用を比較してから依頼するのが賢い方法です。

エコキュートの寿命と交換タイミングの見極め方

(1)エコキュートの一般的な寿命は10〜15年

エコキュートの寿命は一般的に10〜15年とされています。

税法上の法定耐用年数は6年ですが、これは減価償却のための数字であり、実際の使用可能期間とは異なります。

適切にメンテナンスを行えば15年近く使えるケースもありますが、10年を超えると内部部品の摩耗が進み、故障の頻度が上がり始めます。

項目年数備考
一般的な寿命10〜15年メンテナンス状況で大きく変動
法定耐用年数6年税務上の減価償却期間
メーカー保証期間1〜5年部位により異なる(延長保証で最大10年)
メーカー推奨点検時10年メーカー独自の点検制度に基づく

一般的に、使用開始から10年を超えると内部の部品劣化が進み故障リスクが大きく高まるため、各メーカーによる点検を受けることが強く推奨されています。

長期間使用したことによる予期せぬトラブルを防ぐためにも、10年を超えた機器は安全面を考慮して定期的な点検や早めの交換検討が必要です。

(2)部品ごとの耐用年数の違い

エコキュートは大きく分けて「ヒートポンプユニット」「貯湯タンク」「リモコン」の3つの部分で構成されており、それぞれ寿命が異なります。

全体の寿命が10〜15年といっても、部品によっては早く劣化が始まるものがあるため、どの部品にトラブルが出やすいかを知っておくと交換の判断に役立ちます。

部品耐用年数の目安故障しやすい理由
ヒートポンプユニット5〜15年圧縮・熱交換を繰り返すため負荷が大きい
貯湯タンク10〜15年常にお湯を貯めているためタンク内壁が徐々に劣化
リモコン10〜15年基板の経年劣化やボタンの接触不良
混合弁・各種センサー7〜10年温度調整に関わる精密部品のため消耗が早い

特にヒートポンプユニットはエコキュートの心臓部にあたり、外気の熱を圧縮してお湯を沸かすという高い負荷のかかる作業を毎日繰り返しています。

そのため他の部品と比べて寿命のばらつきが大きく、修理費用も8〜20万円と高額になりがちです。

ヒートポンプの修理費用が高い場合は、本体の交換を視野に入れて総合的に判断しましょう。

(3)交換を検討すべき前兆サイン

エコキュートは突然動かなくなるケースだけでなく、徐々に性能が落ちていくケースもあります。

以下のような前兆サインが複数見られるようになったら、修理で延命するよりも交換を検討するタイミングです。

  • お湯の温度が安定しない日が増えた — 温度制御系統の劣化が始まっているサイン
  • お湯が沸き上がるまでの時間が以前より長くなった — ヒートポンプの効率が低下している可能性
  • エラーコードの表示頻度が増えた — 内部の電子部品や基板が劣化し始めている
  • 異音が以前よりも大きくなった — ファンモーターやコンプレッサーの摩耗が進行
  • 修理しても短期間でまた別の不具合が出る — 全体的な劣化が進んでいる状態
  • 月々の電気代が以前と比べて目に見えて上がった — ヒートポンプの効率低下により消費電力が増大

これらのサインが1つだけなら修理で対処できることもありますが、2つ以上同時に当てはまる場合は機器全体の劣化が進んでいると考えた方がよいでしょう。

使用開始から10年以上経過していてこれらの前兆が出ている場合は、次の章で解説する修理費用との比較を踏まえて交換を検討することをおすすめします。

エコキュートの修理費用の相場と内訳

(1)部品別の修理費用一覧

エコキュートの修理費用は、故障した部品によって大きく変わります。

簡単な点検調整であれば1万円前後で済むこともありますが、ヒートポンプユニットの修理が必要になると10万円を超えるケースも珍しくありません。

修理を依頼する前に、部品ごとのおおよその費用感を把握しておくと、業者の見積もりが妥当かどうか判断しやすくなります。

修理内容費用の目安主な症状
点検調整(部品交換なし)約1万〜1.5万円軽微なエラー、設定異常
弁の交換(混合弁など)約1.5万〜2.5万円お湯の温度が安定しない
基板交換約3万〜15万円リモコン表示異常、動作不良
ヒートポンプユニット修理約8万〜20万円お湯が沸かない、冷媒ガス漏れ
貯湯タンク修理約30万円前後タンクからの水漏れ

基板はエコキュートの頭脳にあたる部分で、型番によって価格が大きく異なるため費用に幅があります。

貯湯タンクの修理は約30万円と最も高額になりやすく、タンクの交換を行うと新しいエコキュートの購入に近い費用がかかることもあるため、使用年数によっては本体ごとの交換を検討した方が結果的にお得です。

(2)メーカー別の修理費用の目安

修理費用はメーカーや機種によっても異なります。

同じ症状でもメーカーごとの部品代やサービス料金の設定に差があるため、自分が使っているメーカーの相場を知っておくと安心です。

メーカー修理費用の目安特徴
三菱1万〜18万円点検調整は比較的安価、冷媒回路修理は高額になりやすい
ダイキン2万〜7万円メーカー修理の対応が早いと評価される傾向
パナソニック2万〜10万円エラーコードによる自己診断が充実
日立2万〜19万円ヒートポンプ関連の修理が高額になるケースがある
コロナ2万〜10万円国内自社工場生産で部品供給が安定

これらの金額はあくまで目安であり、故障箇所や使用年数、お住まいの地域によって変動します。

メーカーに直接修理を依頼する場合は出張費と技術料が加算されるのが一般的です。

複数の業者から見積もりを取り、修理内容と費用の内訳を比較してから決めることをおすすめします。

(3)メーカー保証と延長保証の活用法

エコキュートにはメーカーが設定する無償保証期間があり、保証期間内であれば修理費用を大幅に抑えられます。

ただし保証の範囲は部位ごとに異なることが多いため、自分のエコキュートがどの保証に該当するか事前に把握しておくことが大切です。

  • 本体の無償保証 — 通常1〜2年が一般的。電子基板やリモコンなど主要部品が対象
  • ヒートポンプユニットの保証 — メーカーによっては3年間の保証を設定していることがある
  • 貯湯タンクの缶体保証 — 5年間の保証が付くメーカーが多い。水漏れの原因が缶体にある場合に適用
  • 延長保証(有料) — 購入時に追加料金を支払うことで保証期間を5年や10年に延長できるサービス

延長保証に加入していれば、設置から5〜10年の間に発生した故障も無償で修理してもらえるため、長い目で見ると修理費用の大幅な節約につながります。

保証書が見つからない場合でも、メーカーに製品の型番と設置日を伝えれば保証状況を確認してもらえるので、修理を依頼する前にまず問い合わせてみましょう。

エコキュートは修理と交換どちらがお得か

(1)使用年数10年が判断の分かれ目になる理由

エコキュートの修理と交換で迷ったとき、最も重要な判断材料になるのが使用年数です。

設置から10年未満であれば修理して使い続けるメリットがありますが、10年を超えている場合は交換の方が長期的にお得になるケースが増えてきます。

使用年数おすすめの選択理由
7年未満修理部品の劣化が全体に及んでいる可能性が低い
7〜10年修理費用と交換費用を比較して判断部品ごとの劣化が始まる時期
10年以上交換を優先的に検討複数箇所の劣化が進んでおり再故障リスクが高い

10年以上使用したエコキュートは、一カ所を修理してもすぐに別の部品が壊れるということが起きやすくなります。

たとえば混合弁を修理しても翌月にヒートポンプが故障するといったケースでは、修理費用が積み重なって結果的に交換費用を上回ってしまうこともあります。

10年を目安に一度、修理と交換のどちらが経済的かを比較検討してみましょう。

(2)修理費用と交換費用の比較シミュレーション

修理と交換のどちらが得かは、今回の修理費用だけでなく、今後数年間にかかる費用も含めて考える必要があります。

設置から12年のエコキュートでヒートポンプユニットの修理が必要になったケースを例に、修理を続ける場合と交換する場合の費用を比較してみましょう。

項目修理して使い続ける場合新品に交換する場合
今回の費用ヒートポンプ修理 約15万円本体+工事費 約40万円
給湯省エネ2026事業の補助金対象外最大10万円(基準による)
補助金適用後の実質費用約15万円約30万円
今後3年間の修理リスク他の部品故障で追加5〜15万円の可能性メーカー保証で無償修理
省エネ性能旧型のまま最新機種は年間の電気代が1〜2割安くなる傾向

このシミュレーションからわかるように、修理費用が1回で済めば修理の方が安く済みますが、12年使ったエコキュートでは今後も別の部品が壊れる可能性が高いです。

さらに、新しいエコキュートは省エネ性能が向上しているため、月々の電気代の差額も長期的なコスト比較に含めて考えることが大切です。

(3)交換にかかる費用の相場

エコキュートの交換費用は、本体価格と工事費を合わせて20〜70万円が相場です。

金額に大きな幅があるのは、選ぶ機種のグレードやタンク容量、設置場所の条件によって変わるためです。

タイプタンク容量の目安交換費用の目安(工事費込み)
給湯専用タイプ370L(2〜4人家族向け)約20〜35万円
フルオートタイプ370L(2〜4人家族向け)約30〜50万円
フルオートタイプ460L(4〜6人家族向け)約35〜55万円
高機能・多機能タイプ460L〜550L約45〜70万円

この費用をすべて自己負担する必要はなく、給湯省エネ2026事業の補助金を活用すれば7〜14万円の補助を受けられる可能性があります。

補助金の詳細は次の章以降で解説しますが、交換を検討する際は補助金適用後の実質的な自己負担額で判断することをおすすめします。

また、複数の業者から見積もりを取ることで、同じ機種でも工事費を含めた総額に数万円の差が出ることがあります。

エコキュートの故障を防ぐメンテナンス方法

(1)定期的な水抜きの手順と推奨頻度

エコキュートを長く使い続けるうえで、最も効果的なメンテナンスが貯湯タンクの水抜きです。

水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分は、加熱を繰り返すうちにタンクの底に沈殿していきます。

この汚れを放置すると配管の詰まりやお湯の濁りにつながり、エコキュートの寿命を縮める原因になります。

水抜きの項目内容
推奨頻度半年〜1年に1回(理想は年2〜3回)
所要時間約30分〜1時間
必要な道具特になし(取扱説明書を参照)
寿命への影響メンテナンスの有無で約5年の差が出るとされている

水抜きの基本的な手順は、まずエコキュートの電源を切り、貯湯タンクの排水栓を開いて2〜3分間水を流します。

タンク底部に溜まった不純物が排出されたら栓を閉じ、電源を入れ直せば完了です。

新規設置から1年以上水抜きをしていない場合はタンク内壁に汚れがこびりついている可能性があるため、業者に内部洗浄を依頼してから定期的なセルフメンテナンスを始めるとよいでしょう。

(2)配管の点検と冬の凍結対策

エコキュートの配管は屋外に露出している部分があるため、経年劣化や気候の影響を受けやすい箇所です。

年に1回は配管の外観を目視でチェックし、保温材の状態を確認しておくと故障の予防につながります。

  • 保温材に破れや剥がれがないか確認する — 保温材が劣化していると冬場の凍結リスクが高まる
  • 配管の接続部から水が滲んでいないか確認する — 小さな水漏れの早期発見につながる
  • ヒートポンプユニット周辺に落ち葉やゴミが溜まっていないか確認する — 空気の取り込みを妨げると効率が落ちる

冬場の凍結対策としては、就寝前に浴槽の残り湯を抜かずにそのままにしておく方法が効果的です。

フルオートタイプのエコキュートは浴槽に水がある状態で外気温が下がると、自動的にふろ配管に水を循環させて凍結を防ぐ機能が働きます。

残り湯がない場合は、給湯栓を少し開けて1分間にコップ1杯程度の水を細く流しておくと配管内の水が凍りにくくなります。

(3)メーカー独自の点検制度(あんしん点検など)の活用

エコキュートは法定の「長期使用製品安全点検制度」の対象製品ではありません。

しかし、メーカー各社はエコキュートを対象とした独自の点検制度(あんしん点検など)を設けています。

これは経年劣化によって重大な事故が発生するおそれを防ぐため、メーカーが設定した時期に点検を受けることを所有者に促す仕組みです。

  • 対象製品の購入時に所有者登録を行うと、メーカーから点検時期の通知が届く
  • 点検時期はメーカーが製品ごとに設定しており、一般的には設置後8〜10年が目安
  • 点検は有料で、費用はメーカーや製品によって5,000〜10,000円程度
  • 点検を受けることで経年劣化の進行度合いを把握でき、事故の未然防止につながる

10年以上使用したエコキュートは、内部の部品劣化によるトラブルが急増しやすくなります。

メーカーの点検では、逃し弁や減圧弁の動作確認、漏電遮断器の作動テストや配管接続部の劣化チェックといった専門的なチェックが行われるため、自分では気づけない故障の兆候を見つけてもらえます。

製品購入時の所有者登録をまだしていない方は、メーカーの公式サイトから登録しておくことをおすすめします。

エコキュート交換で使える給湯省エネ2026事業の補助金

(1)給湯省エネ2026事業の概要と補助金額

エコキュートの交換を検討しているなら、国の補助金制度「給湯省エネ2026事業」をぜひ活用しましょう。

この事業は資源エネルギー庁が管轄する制度で、家庭の省エネルギーを推進するために高効率給湯器の導入を補助するものです。

2026年度の予算は570億円が確保されています。

項目内容
事業名給湯省エネ2026事業
管轄資源エネルギー庁
予算570億円
エコキュートの基本補助額7万円/台
加算要件を満たした場合10万円/台
対象工事の着工日2025年11月28日以降
交付申請の期限予算上限到達まで(遅くとも2026年12月31日)

2025年度の給湯省エネ事業と比べて、基本補助額が6万円から7万円に1万円増額されている点が大きな変更点です。

エコキュートの交換費用は20〜70万円かかるため、この補助金を使えば自己負担を大きく減らすことができます。

(2)補助金の対象要件と性能条件

給湯省エネ2026事業の補助金を受け取るには、導入するエコキュートが一定の性能条件を満たしている必要があります。

補助額は性能によって7万円と10万円の2段階に分かれており、より高性能な機種を選ぶほど補助額が大きくなる仕組みです。

区分補助額性能条件
基本要件7万円/台2025年度目標基準値以上の性能 + インターネット接続可能 + 翌日の天気予報・日射量予報連動で昼間沸き上げシフト機能あり
加算要件10万円/台基本要件の機種と比べCO2排出量が5%以上少ない + 2025年度目標基準値+0.2以上の性能値

2026年度から新たに加わった条件として、インターネットに接続でき、太陽光発電でつくられた昼間の電気を自家消費できる機能を備えた機種であることが求められています。

おひさまエコキュートと呼ばれる太陽光発電連動型の機種もこの条件を満たします。

購入前に、候補の機種が補助金の対象製品として登録されているかどうかを販売店や事業者に確認しておきましょう。

(3)申請方法と手続きの流れ

給湯省エネ2026事業の補助金は、個人が直接申請することはできません。

あらかじめ事業に登録した「給湯省エネ事業者」と呼ばれる建築事業者や販売業者、工事施工業者が申請手続きを代行します。

そのため、エコキュートの交換を依頼する際は、登録事業者かどうかを事前に確認することが重要です。

  • 事業者登録の開始は2026年3月10日(予定)から
  • 交付申請は事業者登録後に受付開始され、予算上限に達するまで受け付けられる
  • 申請期限は遅くとも2026年12月31日まで
  • 補助金は事業者を通じて還元される仕組み(購入者が直接受け取るわけではない)

手続きの大まかな流れとしては、まず登録事業者にエコキュートの交換工事を依頼し、工事完了後に事業者が交付申請を行います。

補助金が交付されたら、その分が購入者に還元されるという仕組みです。

予算には上限があるため、交換を決めたら早めに動くことが大切です。事業者登録の有無は、給湯省エネ2026事業の公式サイトで確認できます。

(4)撤去加算で最大14万円を受け取る方法

エコキュートの交換に加えて、古い蓄熱暖房機や電気温水器を同時に撤去する場合は「撤去加算」が適用され、補助金額がさらに上乗せされます。

この加算を最大限に活用すると、1台あたり合計で最大14万円の補助を受けることが可能です。

撤去対象加算額上限
蓄熱暖房機4万円/台2台まで
電気温水器2万円/台高効率給湯器導入により補助を受ける台数まで
エコキュート(既存機の撤去)対象外

注意すべき点として、既存のエコキュートを撤去して新しいエコキュートに入れ替える場合、旧エコキュートの撤去は加算の対象外です。

撤去加算が適用されるのは、あくまで蓄熱暖房機や電気温水器を撤去してエコキュートに切り替えるケースに限られます。

たとえば、電気温水器からエコキュートに交換する場合は、エコキュートの加算要件10万円と電気温水器撤去の2万円を合わせて12万円、さらに蓄熱暖房機も併せて撤去すれば4万円が加わり最大16万円の補助となるケースもあります。

エコキュートからエコキュートへの買い替えの場合は旧機の撤去加算がないため、補助額は最大10万円です。

戸建て住宅では1住戸あたり最大2台まで、共同住宅では1台までが補助の対象です。

まとめ

エコキュートの故障は、症状と原因を正しく見極めることで適切な対処につなげられます。

お湯が出ない・異音・水漏れなどの症状が出たら、まずはエラーコードの確認やブレーカーのチェックなど自分でできる範囲を試し、改善しなければ早めに業者へ相談しましょう。

使用年数が10年を超えている場合は、修理費用と交換費用を比較したうえで、給湯省エネ2026事業の補助金も活用しながら最もお得な選択を検討してみてください。

日頃のメンテナンスでエコキュートの寿命を延ばし、安心してお湯のある暮らしを続けていきましょう。

エコ楽:太陽光発電・蓄電池・省エネ設備の費用や選び方をわかりやすく解説するメディア

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この記事を書いた人

エコ楽編集部は、太陽光発電システムや蓄電池などの省エネ機器を手がける株式会社BFMが運営するメディアです。
住宅・エネルギー領域での豊富な現場経験をもとに、太陽光発電・蓄電池・省エネに関する正確で役立つ情報を、わかりやすくお届けしています。制度や補助金など日々変わる情報もいち早くキャッチし、エコな暮らしを検討するすべての方の「信頼できる情報源」となることを目指しています。

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